「この着物、汚れやシミがあるから捨てるしかないかな」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は、汚れやシミ、カビがある着物でも、買取に出すことができる可能性があるのです!
本記事では、汚れた着物がなぜ買取できるのか、相場、売却時の注意点について詳しく解説します。
汚れ・シミ・カビのある着物が買取可能な理由
今日はお客様宅を訪問して来ました。来月、着物を着たいが何を着たら良いか、コーディネートは?それと亡くなった祖母や母の着物が沢山あり整理を考えているがどれを残したら良いかなど見て欲しい。が、多すぎて店に持って行けないので来ては頂けないかとのご依頼でした。
点検して一枚シミ抜きに pic.twitter.com/BTximtxjKJ— うつくしきもの松屋 (@utsukusikimono) April 16, 2023
汚れやシミ、カビが付いた着物は売れないと思いがちですが、実は買取できる理由がいくつかあります。
以下にその理由を紹介します。
海外需要が高まっている
近年、日本の着物は海外での人気が急上昇しています。
特に欧米の人々は、着物の文化や美しさに魅了されており、汚れた状態でも気にせず着用することが多いのです。
たとえば、アメリカやヨーロッパのファッションシーンでは、和服をカジュアルに着こなすスタイルが注目されています。
このような背景から、汚れた着物でも買取の対象となるケースが増えています。
業者は、そうした需要を見越して買取を行うため、汚れやシミがあっても査定してもらえる可能性があります。
小物にリメイクできる
着物には、どうしてもシミやカビが取れない部分がある場合もありますが、その場合でもリメイクの可能性があります。
たとえば、着物を裁断して巾着やポーチなどの小物に作り変えることができます。
和柄の小物は、日本国内だけでなく、海外市場でも需要が高まっています。
特に、カラフルな柄や独特なデザインは、ファッション小物として人気です。
業者は、汚れた部分を除去し、再利用可能な部分を最大限に活かす方法を採るため、買取が可能となります。
修繕可能な場合が多い
多くの買取業者では、着物の状態に応じてクリーニングや修繕を行います。
特に、専門の技術を持った業者であれば、シミや汚れをしっかりと落とし、場合によっては修繕することも可能です。
汚れやシミの程度によっては、クリーニングを施すことで再び着用可能な状態に戻すことができます。
このため、状態が悪いと思っている着物でも、一度業者に査定してもらう価値があります。
汚れ・シミ・カビのある着物の買取相場
汚れやシミ、カビがある着物の買取相場は、その状態や種類、ブランド、汚れの程度によって異なります。
これらの要因が買取価格に大きく影響するため、具体的な買取価格を知るためには、状態を詳しく確認することが重要です。
汚れ・シミの種類と程度
軽い汚れやシミの場合、通常のクリーニングで落とせることが多く、買取価格に大きな影響を与えないことがあります。
しかし、頑固なシミがついている場合や、血液や食べ物、インクなどのシミがついていると、買取価格が低くなることが一般的です。
シミの範囲が広くなるほど、価値が下がる可能性が高いです。
カビの有無と状態
カビがついている着物は、特に買取価格に大きな影響を与えます。
軽いカビであれば、専門的なクリーニングで改善されることもありますが、それでも完全に取り除けるわけではありません。
ひどいカビの場合は、生地が劣化していることが多く、買取価格は大きく下がります。
場合によっては、カビが広がりすぎて買取不可になることもあります。
着物の種類とブランド
着物の素材やブランドも買取価格に影響を与えます。
高級着物や有名ブランドの着物は、汚れやシミ、カビがあっても、状態によっては高価買取が期待できることもあります。
特に、龍村美術織物や西陣織などの高級ブランドの着物は、汚れやシミがあっても、状態が良ければ価格が安定していることがあります。
汚れやシミの場所
汚れやシミが目立つ場所にある場合、買取価格は低くなる傾向があります。
例えば、前身頃や袖口、裾などにシミがあると、買取額に影響を与える可能性が高いです。
一方、裏側や見えない部分に汚れがある場合、相対的に買取価格への影響が少なくなることもあります。
汚れ・シミ・カビがある着物の一般的な買取相場
軽い汚れやシミがある着物の買取価格は、通常の70~80%程度になることが多いですが、シミの位置や広がり具合によって、価格が低くなることがあります。
中程度の汚れやシミがある場合、買取価格は50~60%程度になることが一般的です。
頑固なシミや汚れ、ひどいカビがある場合、買取価格は30%未満になることがあります。
特にひどいカビがついている場合、買取ができないこともあります。
汚れやシミ、カビが付いた着物の買取相場は、通常数千円から数万円程度です。
具体的な相場は、以下の表にまとめました。
着物の種類 | 買取相場(参考) |
---|---|
小紋や付け下げ | 約3,000円~10,000円 |
訪問着や有名な紬 | 約10,000円~30,000円 |
フルセットの着物 | 約20,000円~50,000円 |
この相場はあくまで目安であり、実際の買取価格は着物の状態や汚れの程度、さらには市場の需要によって変動します。
たとえば、有名な作家の作品や特別な染色技術が使われている着物は、たとえ汚れていても高い価値がつくことがあります。
汚れの場所による減額度
汚れやシミが着物のどこにあるかでも買取価格が異なります。
以下の表に、汚れやシミがある場合の減額度をまとめました。
状態 | 減額度 |
---|---|
着尺の裏側 | 減額小 |
着尺の表面にポイントで | 減額中 |
着尺の表面の大部分 | 減額大 |
裏側に汚れがある場合は見えないため減額が少なく済みますが、表面に汚れがある場合は減額が大きくなることがあります。
また、カビの場合は生地を傷めることが多いため、減額度がさらに厳しくなることがあります。
汚れ・シミ・カビのある着物を売る際の注意点
汚れやシミ、カビがついた着物を売る際には、いくつかの注意点があります。
これらを守ることで、買取価格をできるだけ高く維持することができます。
自分で洗濯しない
汚れがあるからといって、自分でクリーニングを試みるのは危険です。
シミが伸びたり、生地が劣化したりする可能性があり、逆効果になることがあります。
クリーニング代をかけるよりも、業者にそのまま持ち込むことがベストです。
専門業者は、着物の素材や状態に応じた適切な処置を行えるため、自分で手を加える必要はありません。
胴裏の交換はしない
着物には胴裏と呼ばれる裏地がありますが、ここにシミがあるからといって交換するのは損です。
胴裏の交換には3万円以上かかることも多く、その費用を回収するほどの買取額が上がることは少ないからです。
また、交換した場合でも、他の部分に汚れがある場合は査定に悪影響を及ぼすことがありますので、原則としてそのまま売ることが推奨されます。
価値を理解している業者に見せる
着物の買取は業者によって査定基準が異なります。
汚れやシミがついている着物を適切に評価できる業者に査定してもらうことが重要です。
大手の着物買取業者は、相場に精通しており、適正価格での査定が期待できます。
また、口コミや評価を確認することも大切です。
特に難アリの着物を売る時は、経験豊富な業者に依頼することが、満足のいく買取につながります。
着物の履歴を伝える
着物の履歴、つまりどのように使用されてきたのか、どのような保管状態だったのかを業者に伝えることも大切です。
特に、何か特別な意味や思い出がある着物の場合、その背景を説明することで、業者が価値を正しく判断できる材料となります。
たとえば、家族から受け継いだ着物や、特別なイベントで着用したものであれば、その点を強調することが買取価格にプラスに働くこともあります。
まとめ
汚れやシミ、カビのある着物でも、売れる可能性は十分にあります。
海外需要の高まりや、小物リメイクの可能性、修繕による再販など、多くの理由から買取が可能です。
相場を理解し、注意点を守ることで、あなたの大切な着物をより高く売ることができます。
着物を手放す前に、一度専門の買取業者に見せてみることをお勧めします。
意外な価値が見つかるかもしれませんよ!
大切にしてきた着物が新たな形で再生される可能性を信じて、まずは査定を受けてみましょう。
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