着物所作の基本!立ち姿と歩き方とマナーを解説

着物着こなす

着物を着ると、自然といつもより背筋が伸び、気持ちが引き締まるものですよね。

せっかく着物を着るなら、その美しさをさらに引き立たせる所作を身に付けて、優雅な立ち居振る舞いができるようになりたいところです。

本記事では、初心者の方でも簡単に取り入れられる着物所作の基本をご紹介します。

日常の動作を少し変えるだけで、見た目に大きな違いが生まれるので、ぜひ試してみてください。

 

美しい立ち姿と歩き方

まずは、立ち姿や歩き方を少し意識するだけで、ぐっと洗練された印象になります。

 

基本の立ち姿

背中が丸まってしまうと、着物のラインが崩れ、だらしなく見えがちです。

背筋を伸ばして、肩は軽く後ろに引くと、首から肩にかけてのラインが美しく見えます。

つま先を少し内側に向けると、女性らしい印象が加わり、きれいに見えます。

ミワ
ミワ

肩に力が入りやすくて、すぐに猫背になってしまうんです。

師匠
師匠

背筋をぴんと伸ばすと、着物がより美しく見えるんじゃよ。肩をリラックスさせてみてごらん。肩の力を抜くと、自然と首もすらりと見えるよ。着物の襟から首が綺麗に見えると、全体の印象が格段に良くなるんだ。

 

 

歩き方のコツ

普段よりも歩幅を狭くして、内股気味に歩くと、着物のシルエットが引き立ちます。

自然に手を体の横に添えることで、品のある動作になります。

歩きづらさを感じたときは、アキレス腱を伸ばすイメージで、足を軽く前後に開くと歩きやすくなります。

師匠
師匠

手を大きく振らず、自然に体に添えることが大切です。軽く肘を曲げ、右手で上前を軽く押さえると上品よ。

 

 

階段の上り下り

階段の上り下りは、特に着物の扱いに気を配るポイントです。

 

上るときのコツ

右手で上前を軽く持ち上げ、左手で荷物を持ちます。裾を持ちすぎると足が露出しやすいため、持ち上げすぎには注意。

つま先に体重をかけて、自然なリズムで進むと、安定して見えます。

師匠
師匠

階段を上るときは、右手で上前を少しつまんで裾を上げてごらん。ただし、肌が見えすぎないように注意することも忘れずにね。

ミワ
ミワ

つま先に体重を乗せると、バランスが取りやすいですね。

 

 

下るときのコツ

上りと同様に、右手で裾を軽く持ちます。

体を少し斜めにすると、足元が見えやすく安全です。

 

手をあげるときのマナー

電車でのつり革や、高い場所の物を取るときも、さりげない気配りがポイントです。

片手で袖口を押さえながら、もう一方の手で物を取ることで、肌の露出を防ぎます。

袖が滑りやすいので、二の腕が見えないように片方の手でしっかり押さえましょう。

師匠
師匠

袖口を押さえておくと、動きがぐっとエレガントになるわよ

 

 

雨の日の所作と持ち物

雨の日は、着物が濡れないように工夫しましょう。

特に、車の乗り降りの際や、傘をさすときは要注意です。

車に乗るときは、お尻からではなく、まず頭を少し低くしてから足を入れ、裾を引き上げるようにします。

師匠
師匠

最初は難しく思えるかもしれないが、裾を引き上げて、片足ずつ乗り込むようにするといい。雨の日でも着物をきれいに保てるよ。

持っておきたい雨対策グッズ

撥水加工のコートや草履カバーは必須アイテムです。また、替えの足袋があると安心ですね。

 

 

正座や座布団の使い方

和室での食事や集まりの場面では、正座が求められることが多いです。

着物を着て座る際は、まず腰を落とし、手を両側にそっと添えてからお尻を引くようにして座ります。

座ったときに背筋を伸ばし、ひざを閉じると、上品な印象が保てます。

立ち上がるときは、両膝を揃えたまま腰を浮かせてから、重心を前に移動させるとスマートです。

急がず、ゆっくりと動くことが、着物らしい優雅な所作につながります。

 

正座をするとき

右手で上前を持ち、左手で太もものあたりを押さえながら、膝をつきます。

膝を少し浮かせて裾を引き寄せると、美しく座れます。

 

座布団への座り方

しゃがんで拳を座布団につき、体を浮かせて座布団に移動するのがポイントです。

膝を少し開けると、立ち上がるときも楽に動けます。

師匠
師匠

正座するときは、右手で上前を持ち、膝をつけるようにしてごらん。裾が乱れないように、膝を少し浮かせて整えると見た目もきれいに見えるよ。

椅子に座るとき

椅子に座るときは、帯やお太鼓をつぶさないように、浅めに腰掛けることが大切です。

膝は必ずそろえて、背筋を伸ばすことを意識します。

長い袖の場合は、袖が床につかないように膝に乗せておきます。

師匠
師匠

椅子に座るときも、裾を少しつまんで浅めに腰掛けると、帯やお太鼓を潰さずに済むよ。

ミワ
ミワ

座っているときの姿勢にも、品が現れますね。

 食事のときの所作

食事の場でも、所作が問われます。

箸や器の持ち方に気をつけ、音を立てないように食べることが基本です。

また、お辞儀の際は、首だけでなく背中からそっと傾けるようにします。

手を重ねて前に置き、ゆっくりと体を倒すと、丁寧で美しいお辞儀になります。

これらの動作を意識すると、日常生活でも丁寧で落ち着いた印象を与えられるでしょう。

  • 袖を押さえる:必ず片手で袖口や袂を押さえましょう。
  • ナプキンの使い方:膝の上にナプキンを置くのが基本ですが、場合によっては帯に挟んで使ってもOKです。特にフォーマルな場面では、衿に挟むのは避けるのが無難です。

 

着物所作のまとめとチェックリスト】

最後に、着物所作のポイントを簡単な表にまとめました。

ぜひチェックリストとしてご活用ください。

所作 ポイント 注意点
立ち姿 背筋を伸ばし、肩を下げる 片足体重や猫背にならない
歩き方 内股で小股、自然に手を添える 手を大きく振らない
階段 裾を少し持ち上げる 肌が見えすぎないように
食事 袖口や袂を押さえる 袖が食器に触れないように

 

まとめ

着物の所作は、普段の生活にも役立つ要素がたくさん詰まっています。

美しい姿勢や丁寧な動作は、気持ちを整え、他人への配慮を自然に表現するものです。

着物を着ていないときでも、背筋を伸ばし、ゆったりとした歩き方を意識することで、心にゆとりを持って日々を過ごせるようになるでしょう。

最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると自然に身につくものです。

所作が美しくなると、着物姿がより華やかになり、自分自身の気持ちも引き締まります。

ぜひこの基本を押さえて、どんどん着物を楽しんでくださいね!

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