着物にもブランドがある?ブランド分類と人気ブランドの見分け方

着物を高く売る

こんにちは!着物の世界に興味がある方なら、一度は「ブランド着物」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?

洋服の世界では、エルメスやグッチのような高級ブランドが有名ですが、着物にも似たようなブランドが存在するのでしょうか?

実は、着物には厳密には「ブランド」という概念はありません。

しかし、日本の伝統工芸や作家物、歴史のある老舗ブランドなど、着物における価値を評価する要素がたくさんあります。

このような着物を指して「ブランド着物」と呼ぶこともあり、その価値は非常に高く評価されます。

この記事では、そんなブランド着物の5つの分類と、具体的な人気ブランドの見分け方を徹底的に解説していきます。

これから着物を選ぶ際の参考にぜひお役立てください!

 

代表的なブランド着物

着物の世界には、地域や技法に基づいて作られたブランドが存在します。

ここでは、日本の代表的な着物ブランドをいくつか紹介します。

ブランド名 特徴 主な用途
西陣織(にしじんおり) 京都の伝統的な織物で、高級感のある豪華な模様が特徴です。特に訪問着や留袖に多く使用され、正式な場での着用に適しています。 訪問着、留袖
加賀友禅(かがゆうぜん) 石川県の手描き染色技術で、細かな模様が美しい着物に仕立てられます。婚礼や特別な場での着用に向いています。 婚礼、特別な場
博多織(はかたおり) 福岡県の織物で、シンプルでありながら高級感があります。特に帯に多く使用され、日常のフォーマルな場でも好まれています。 帯、日常のフォーマルな場
丹後ちりめん(たんごちりめん) 京都府丹後地方で生産される絹織物で、柔らかく、しわになりにくいのが特徴です。カジュアルな着物に適しています。 カジュアルな着物

これらのブランドは、それぞれの地域の文化や技術が反映された特別なものであり、着物選びの際にはぜひ考慮したいポイントです。

たとえば、西陣織の着物は高級感が求められる正式な場面で重宝されますが、丹後ちりめんの着物はカジュアルなシーンで気軽に楽しむことができます。

 

着物ブランドとは?着物における「ブランド」の意味

洋服における「ブランド」は、特定の企業やデザイナーが手がけた一連の商品を指しますが、着物の世界では少し異なります。

着物における「ブランド」とは、主に以下のような要素で価値が決まります。

  1. 作家物 – 著名な染織作家や伝統工芸士が手がけた一品もの
  2. 伝統的工芸品 – 日本全国の産地で作られる伝統的な技法を用いた着物
  3. 老舗ブランド – 長い歴史を持つ着物メーカーや工房が作る着物
  4. デザイナー着物 – 現代のファッションデザイナーや芸能人がプロデュースした着物
  5. 和装専門メーカー – 現代的なデザインやトータルコーディネートを提供するメーカー

これら5つの要素は、洋服のようなブランドというよりも、伝統や技術、作家の個性が評価される世界です。

 

ブランド着物の5つの分類

それぞれのブランド着物について詳しく見ていきましょう。

 

有名作家物の着物

有名作家物の着物は、重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)や著名な染織作家が手がけた着物を指します。

これらの作家は、技術と芸術性に優れた作品を作り出し、その価値は非常に高く評価されます。

分類 作家の種類 代表的な技法や作品
染物作家 友禅染 友禅染(加賀友禅、京友禅など)
紅型(びんがた) 沖縄の伝統染色技法、色鮮やかなデザインが特徴
江戸小紋 江戸時代から伝わる細かい模様が特徴的な染め
織物作家 紬(つむぎ) 絹糸を用いた織物、着物の中でも特に軽くて柔らかい質感が特徴
芭蕉布(ばしょうふ) 沖縄の芭蕉の繊維から作られる軽く通気性の良い織物
羅(ら) 透け感のある軽やかな織物で、夏の着物に用いられることが多い
刺繍作家 刺繍全般 手刺繍を施した豪華で繊細なデザインの着物

有名作家物の着物には、反物や着物に「落款(らっかん)」が入っています。

落款とは、作家の署名やサインにあたるもので、仕立てる際に右前の衽(おくみ)の位置か、右前の衿の下に配置されます。

また、帯には目立たない場所に落款や作家の名前が染められていることがあります。

 

伝統的工芸品の着物

日本全国には、伝統的な技法を用いて作られた「伝統的工芸品」に認定された着物があります。

これらは、地域の職人たちが代々受け継いできた技術を駆使し、丁寧に作り上げられた作品です。

伝統的工芸品名 地域 特徴 見分け方
大島紬 鹿児島県 軽くて丈夫、泥染めなどの伝統的な技法が特徴 伝統証紙によって品質が保証される
辻が花 絞り染め(日本全国) 絞り染め技法による立体感のあるデザイン 伝統証紙や作家名の落款で確認
牛首紬 石川県 丈夫で光沢があり、上質な風合いを持つ 伝統証紙や反物端のタグで確認

伝統的工芸品には「伝統証紙」と呼ばれる証明書が付いています。

これは、その地域の組合が厳格な基準に基づいて発行するもので、品質を保証する証明です。

 

老舗ブランドの着物

着物の世界には、数百年の歴史を持つ老舗ブランドが存在します。

これらのブランドは、着物業界で長年にわたり伝統を守りつつ、新しい技術やデザインを取り入れてきたことで、一目置かれる存在です。

ブランド名 創業年・地域 特徴 見分け方
千總(ちそう) 室町時代・京都 友禅染の老舗で、伝統技術と現代デザインの融合 反物の端に「千總謹製」の織り込みや刺繍がある
竺仙(ちくせん) 江戸時代・東京 江戸染浴衣の老舗、江戸時代からの技術を継承 反物の端に「竺仙」のタグや刺繍
川島織物 不明・京都 帯や和装小物の老舗、上質な織物が特徴 帯の端に「川島織物」の刺繍やタグ

老舗ブランドの着物には、反物の端に「千總謹製」や「竺仙」などの織り込みや刺繍が施されていることが多いです。

これが正真正銘の老舗ブランドである証です。

 

デザイナー・芸能人の着物

現代では、洋服のデザイナーや芸能人がプロデュースした着物も人気を集めています。

これらの着物は、伝統的な着物のデザインに現代的な要素を取り入れており、斬新なデザインが特徴です。

デザイナー・芸能人名 特徴 見分け方
ツモリチサト ファンタジックなデザイン、洋服でも有名 落款やブランドのタグで確認
山本寛斎 伝統と現代を融合させた斬新なデザイン 落款やブランドのタグで確認
斉藤上太郎 デニム着物をプロデュースし、海外でも注目 タグや証明書が付属する

デザイナー着物の場合、落款やタグで確認できます。

芸能人プロデュースの場合は、着物のタグや販売元の証明書でブランドを確認することができます。

 

和装専門メーカーと国内・海外ブランドの着物

和装専門メーカーが手がける着物は、気軽に楽しめるデザインや価格帯のものが多く、特に若い世代にも人気です。

国内外のファッションブランドが手がける着物も存在し、トレンドを取り入れた振袖や浴衣が人気です。

メーカー名・ブランド名 特徴 見分け方
撫松庵(ぶしょうあん) 若い世代に人気、気軽に着られるデザインの着物 タグやブランドロゴで確認
紫織庵(しおりあん) 上質な素材と伝統的なデザインが特徴 タグや反物端のロゴで確認
三松(みまつ) トータルコーディネート可能な和装メーカー タグや反物端のロゴで確認
セシルマクビー 若い女性向けの振袖や浴衣を展開 ブランドロゴやタグで確認
アンテプリマ イタリア発のファッションブランドが手がける着物 タグや証明書で確認

和装専門メーカーやファッションブランドの着物にも、タグやブランドロゴが入っています。

購入時にはこれらを確認し、大切に保管しておくことで後々の価値判断にも役立ちます。

 

ブランド着物のまとめ

着物の世界にも、洋服と同様にブランドに相当するものが存在します。

特に有名作家物や伝統的工芸品、老舗ブランドの着物は、その価値が高く、選ぶ際の大きなポイントとなります。

ブランド着物を見分ける際には、反物の端や落款、伝統証紙などをしっかり確認することが重要です。

着物を選ぶ際は、今回ご紹介した5つの分類を参考に、自分に合った一着を見つけてくださいね!

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