手取り16万円。毎月ほとんど同じ金額が振り込まれ、通帳の数字はゆっくりとしか増えません。
工場派遣として働き始めたときは「とりあえず」のつもりだったはずなのに、気づけば数年が過ぎています。
ライン作業に慣れ、機械の音にも慣れ、体の動きは無駄がなくなりました。
それでも待遇はほとんど変わらない。
昇給はわずか、ボーナスはなし。
辞めたいと思う日が増えていくのに、会社へその言葉を伝えられない。この状態で止まっている人は少なくありません。
この記事では、工場派遣で手取り16万円のまま年数が過ぎていく現実と、辞めたいのに言えない理由、そして退職代行という具体的な手段について掘り下げます。
手取り16万が続く工場派遣の現実



まずは、数字と日常の積み重ねを見つめます。
昇給しない時間が積み上がる
工場派遣は時給制が基本です。
時給1200円前後でスタートし、多少の変動はあっても大きくは上がらない。
月の出勤日数が安定していれば手取りは16万円前後に落ち着きます。
生活はなんとか回りますが、余裕は生まれません。
問題は、年数が経っても構造が変わらないことです。
正社員は昇給やボーナスで差が開きますが、派遣は契約更新のたびに同じ条件を提示されることが多い。
五年、八年と続けても、扱いは「派遣」です。
経験は積み上がっているはずなのに、給与明細の数字はほぼ横ばい。
その事実がじわじわ効いてきます。
契約更新という不安定さ
契約更新の時期が近づくと、落ち着きません。
担当者から「来月で終了です」と告げられる可能性があるからです。
長く働いていても、契約は契約です。
現場が変われば、また一から人間関係を築きます。
経験年数がそのまま評価につながらない感覚が残ります。
八年働いても、新しい工場では新人扱いになることがあります。
作業を一から説明され、ラインの端に配置される。
その瞬間に「何を積み上げてきたのか」と考えてしまいます。
辞めたいのに言えない理由



辞めたい気持ちははっきりしているのに、退職を切り出せない。
ここが最も苦しい部分です。
上司とのやり取りが頭から離れない
退職を伝える場面を想像すると、具体的な会話が浮かびます。
「急に困る」「代わりを探す時間がない」といった言葉が頭の中で再生されます。
現場は人手不足で、忙しい日が続いている。
その状況を知っているからこそ、言い出しづらい。
会社の電話番号を開き、通話ボタンに指を置くところまでは進みます。
それでも押せない。
押した後の展開が見えているからです。
引き止められる場面や、責任を問われる場面を先に想像してしまう。
その想像が具体的であればあるほど、体は固まります。
「甘え」と言われる恐怖
工場派遣で手取り16万円のまま働いていると、「仕事があるだけましだ」と言われることもあります。
辞めたいと伝えたときに、「我慢が足りない」と評価されるのではないかという不安が出てきます。
本音は単純です。将来が見えない、収入が増えない、体がきつい。
それなのに、理由を説明すると軽く扱われる気がする。
その予感があるから黙ります。
黙ると状況は変わりませんが、言って傷つくよりはましだと判断してしまう。
その繰り返しで時間が過ぎます。
退職代行という現実的な選択肢
辞めたいのに言えない状態が何か月も続いているなら、気持ちの問題として処理するより、方法を変えるという発想に切り替えたほうが前に進みやすくなります。
工場派遣で手取り16万円のまま年数が過ぎている状況では、体力も気力も削られています。
その状態で上司に退職を切り出すのは簡単ではありません。
だからこそ、伝え方を変えるという選択肢が現実味を帯びます。
退職代行が担う役割
退職代行は、退職の意思を本人に代わって会社へ伝えるサービスです。
退職を決断するのは本人ですが、会社へ通知する部分を第三者が引き受けます。
工場派遣で働いている場合でも、契約期間や雇用形態に応じて退職の意思表示は可能です。
ただ、その連絡を自分で行うことに心理的な壁がある人が多い。
実際の流れとしては、まず相談や申し込みを行い、勤務先の名称、所在地、担当部署、雇用形態、入社日、契約期間、最終出勤日、有給休暇の残日数などを伝えます。
その情報をもとに、退職代行が会社へ電話や書面で連絡します。
退職の意思を正式に通知し、今後のやり取りの窓口を退職代行側に一本化します。
上司と直接話す必要がなくなる点が最大の違いです。
その後は、制服や社員証、ロッカーの鍵など貸与物の返却方法が示されます。
郵送で返すケースもあれば、指定された場所へ送ることもあります。
離職票や源泉徴収票などの書類は後日自宅へ送付されます。
有給休暇が残っている場合は、消化の意思を伝えることもできますが、交渉が必要になる場合は労働組合や弁護士が関与する退職代行を選ぶほうが適しています。
不安と現実の差
退職代行を検討する段階で、会社が自宅へ来るのではないか、実家へ連絡するのではないかといった不安が浮かびます。
工場派遣の現場では人手不足が常態化していることも多く、「急に辞めたら迷惑がかかる」と考えてしまうからです。
しかし、通常の退職手続きの範囲で会社が自宅を訪問するケースは多くありません。
会社側も労働基準法などの法的枠組みを無視することはできません。
損害賠償を請求されるのではないかという不安もありますが、単に退職すること自体を理由に高額な請求が認められるケースは一般的ではありません。
ただし、契約内容や就業規則によっては注意点もあるため、不安が強い場合は弁護士が関与する退職代行を選ぶことでリスクを下げられます。
費用は数万円程度が相場です。
手取り16万円の状況では大きな出費に感じます。
しかし、何か月も辞められずにいる時間や、八年間変わらなかった収入の現実と向き合う負担を考えると、その金額をどう評価するかは人によって異なります。
退職代行はすべてを解決するサービスではありませんが、電話ボタンの前で止まり続ける状態を終わらせる具体的な手段にはなります。
工場派遣で悩んでいるなら、退職代行を使うかどうかをすぐに決める必要はありません。
ただ、辞めたいのに言えないという一点で止まっているなら、方法を変える余地があることを知っておくことが重要です。
選択肢があると分かるだけでも、閉じた状態から少し外へ出られます。
まとめ
工場派遣で手取り16万円のまま年数が過ぎると、数字以上の重さが出てきます。
昇給もボーナスもなく、契約更新の不安が続く。その現実の中で「辞めたい」という言葉が育ちます。
辞めたいのに言えないのは、弱さではありません。
具体的な場面が怖いから止まるだけです。
上司との会話を想像し、責められる展開を思い浮かべると、体が動かなくなります。
退職代行は、その一点を越えるための手段です。
使うかどうかは人それぞれですが、止まったまま時間だけが進む必要はありません。
工場派遣で悩んでいるなら、いまの状態を当たり前にしないことが大切です。
辞めるか続けるかを決める前に、伝え方を変えるという選択肢があることを知っておいてください。
退職代行を使うと決めたなら、次はどこに依頼するかを決める段階です。
ここで迷うとまた止まります。
主要3社の違いと、実際の申込から退職完了までの流れをまとめています。
比較してから申し込んだほうが安心です。














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